近藤社殿(近藤工務店)
HOME > 我社のポリシー
我社のポリシー

伝統を絶やさない為に

弊社は、先代…近藤工務店創業者(故 近藤文太郎)の意思を継承し、近代建築と近代住宅の項目を、平成16年より切り離し、神社建築を初めとする(伝統日本建築)に事業を一本化しました。
近年の建築を否定するのではなく、伝統の建築物が近代的に様変わりしてゆくことで、古(いにしえ)より先人達が伝えうる技術と風習が衰退してゆく事に目を背けられなかったからです。
今の世…重厚な木材を組み上げ、勇ましいとばかりに棟を上げる住宅も減少…機械で工作された(プレカット)木材を順を追って組み上げる物が主体。材木に墨を打ち、高度な仕口を計算して刻んでゆく従来のやり方は、今は、ほぼ衰退したと言っても過言ではないでしょう。上棟祭も簡素化され餅をまく様な事も珍しいほど。金銭的な関係なのか?それとも余計な事柄なのか、私が幼い頃から見ていた上棟の姿を今に見る事はありません。
なればこそ、誰かがこの事態を守らねばなりません。その事柄に私が手を挙げただけの事です。
(今時…そんな仕事は流行らない!)確かに…その意見は正しいと思います。
昔ながらの技法で、昔ながらの木材で、住居を発注したいと考える方はごくわずかです。
受注額も高額ですし、日にちも多分にかかります。ある意味では…日本家屋は求める事が無くなった住宅種なのかもしれません。だからと言って、全て近代的にことを進めれば、伝統は消え、継承する事も出来なくなってしまいます。
それだけはけ避けたい!、誰かがそれをしなければ、誰かがその意思を守らねば、この日本の伝統を後世に残すことはできません。
確かに、昔語りのやり方は、受注も困難、仕事も難しい。それを好んで作事を楽しむ職人も少ない。新建材の研究は進んで、いろんな設備や仕様が出来る時代です。大工職人も、電動工具が横行し、手道具を生かせる場所を失いつつある中…手で鋸(のこぎり)を引き、手で鑿(のみ)を打ち、手で鉋(かんな)を引く様な、手間のかかる日本建築の美を好んでする大工も珍しいでしょう。便利や高速化は進み、簡単に作事ができるようになりすぎました。
水は蛇口をひねると出ます。火はコックを回せば付きます。便利な世の中になることは、大変良い事です。しかし、その水の有難さ、その火の大事さを忘れかけている世になりつつあります。
番匠(大工)もそうだと思います。製材され加工品となった部材を切って取付仕上げてゆく。その木の癖もその木の名前もわからない方が多くいるように感じます。大工道具も手入れを怠り、道具への感謝を忘れ、言わば刃物とは言えない道具を持つ方もいらっしゃいます。


日本建築の美と伝統を絶やさない為に。

木の御霊への感謝

私共宮大工は、生きた木の御霊に刃物を入れます。何十年何百年と大地に根を張り天へ天へと伸びた木を切り倒し木材に代えます。私共は社殿に使う材木を 御用材(ごようざい)と呼びます。適材適所、その御用材の癖や方向を重視し、伐採した木材の御霊を無駄にしません。例えば、その木材が社殿の御柱(みはしら)に代る事になれば、木の御霊も本望だと思います。なれば…御用材の一本一本の御霊に感謝をして存在を表し、(百年持て!千年持て!!)と刃物を入れます。本来、番匠(大工)が基本とした事柄を今に伝る事で、我が国の文化を大事にしています。

会社を大きくしない理由

ほとんどの方は、企業の大小で信用を買います。会社が大きければ…『安心』小さければ…『不安』。このような人間的心理は誰にでもある事でしょう。
(株式会社にしないか!)…そんな言葉も頂きました。称号に『株式会社』と付くだけで、信用は益々大きくなることでしょう。しかしながら、正直言って…興味がないのです。職人は会社ではなく、(人柄が唯一の信用)です。
会社を大きくすれば、それ相応に経費等の金額も乗じないといけません。
我社が事業を拡大しないのは、簡単に言うと『欲を出さない』という事です。
お問い合わせ